治療した歯がしみるのはなぜ?
A
「治療したはずなのに歯がしみるんですけど…」
と、訴える患者さまがいます。
これは、治療が失敗したからではありません。
ムシ歯の悪い部分を削るときは、病気が周りにひろがらないように、ムシ歯の大きさより少し大きめに削りとります。そのため、歯の神経近くまで削ることがあります。神経が近いので、治療前よりものを口に入れたり噛んだりすると刺激が神経に伝わりやすくなっているので、治療後、どうしても歯がしみるのです。
痛みは象牙質ができるまで
痛みが続くのは、治療後しばらくだけです。体が自分を守ろうと神経を囲むように新しい象牙質(第二象牙質)をつくると、刺激は神経に伝わりにくくなるので歯はしみなくなります。
しみなくなるまでの期間は、歯により人によって異なり、1~2週間から1年くらいまでのはばがあります。特別、冷たいものや熱いものに気をつけていれば、そのうち自然にしみなくなります。落ち着いて様子をみて下さい。
金属の熱伝導率によって痛みは異なります
治療後の歯がしみるもう一つの理由は、修復に金属が使われるからです。金属は熱を伝えやすい素材です。削ったあとに金属を詰めたりかぶせたりすると、神経に近づいたところに金属の熱を伝えやすい性質が加わって、「熱い」「冷たい」が神経にもっと伝わりやすくなりしみる感じが強まります。
熱の伝わり方(金属の熱伝導率)は金属によって異なります。どうしても歯がしみてつらい方は、しみにくい材料で治すこともできます。つらさを我慢せず、いつでもご相談ください。